皆さん、こんにちは。スタッフのヒロです。
昨日、娘についていく形で、映画『チェンソーマン レゼ篇』を観ました。
心揺さぶられる要素が全て詰まった脚本でした。誠実、あどけなさ、純情、そして破壊(暴力)… 刺激は私にとって強めです。
暴力的で破壊的なシーンの中で、ふと、ピアノのシンプルな音が流れる瞬間がありました。音数を抑えたその旋律は、不思議なほどはっきりと耳に届き、そして心を震わせました。
映像の情報量は圧倒的で、すべてを把握することはとてもできません。でも、整理されたピアノの音だけは、静かに輪郭を持って届きます。その音は郷愁のような心のイメージと結びつき、だからこそ、非現実的なシーンがかえって現実のことのように感じられました。
それが人間の行いであることを突きつけられ、まるで心の奥にある古い傷口を開かれたような感覚になります。
音は、ときに映像よりも雄弁です。破壊の只中に差し込まれる静けさが、私たちに「これはフィクションじゃない」と教えてくれます。
音の力が確かに感じられた出来事でした。
